ダブルボランチへのプレスでブラジルの中盤を無効化したドイツの戦略。あまりに強く、成熟の時を迎える

ブラジルW杯準決勝、ドイツ代表はブラジル代表を7-1で破った。大量得点の要因は、ブラジルの中盤を存在しないも同然としたドイツの戦略にあった。

2014年07月09日(Wed)11時12分配信

text by 本田千尋 photo Getty Images
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クロースはフェルナンジーニョに、ケディラはグスタボへと仕掛ける

 ドイツ代表にとっては、今大会で最も戦いやすい相手となったかもしれない。

 2014年7月8日、ドイツ代表はベロオリゾンテの地でブラジル代表と準決勝を戦う。

 スターティング・メンバーは、GKノイアー、右SBラーム、CBはボアテングとフンメルス、左SBヘーヴェデス、シュバインシュタイガー、ケディラのダブルボランチに、2列目はエジル、クロース、ミュラー、そしてワントップにクローゼだ。そのままフランス戦と全く同じ先発陣である。

 チアゴ・シウバとネイマールが欠場することとなったブラジル代表は、ダンテがディフェンスラインに、ベルナルジが2列目に入った。主将とエースが抜けてしまったことで、引き出しを開け切ってしまったと言っても良かった。

 マルセロがミドルシュートを放ち、またロングボールのサイドチェンジから左サイドのフッキの折り返しを、ベルナルジが中央で合わせようとするなど、序盤はブラジル代表が攻勢を仕掛けるものの、徐々に流れはドイツへと傾いていく。

ダブルボランチへのプレスでブラジルの中盤を無効化したドイツの戦略。あまりに強く、成熟の時を迎える
クロースのキックからミュラーが右足のダイレクトで先制弾を叩き込んだ【写真:Getty Images】

 ブラジル代表を相手にして、ドイツ代表はプレスの標的をダブルボランチとした。クロースはフェルナンジーニョに、ケディラはグスタボへと仕掛けて、両者はさらに、ボールが戻されたダンテへと追い縋った。

 例えば、まずドイツ代表の両CBにプレスを仕掛けていったガーナ代表と違って、もう少し引き気味にプレスを構築した形である。

 これによってブラジル代表の中盤は存在しないも同然となった。左サイドのフッキが引いてボールを受けて、左SBマルセロのサイドアタックを引き出す。攻撃の形はそれ以外に見当たらない。前では誰にもボールが収まらない。引き出しの数はあまりに少なかった。

 すると10分、ドイツ代表はブラジル代表のお株を奪うようなカウンターからCKを獲得すると、クロースのキックからミュラーが右足のダイレクトで先制弾を叩き込んだ。

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