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編集日記 10年前

『フットボール批評』刊行のお知らせ

text by 森哲也

タブーなき批評が日本サッカーを強くする。4年後のロシアで勝つために、メディアも戦う

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編集長略歴:森哲也
2006年12月~2014年7月まで『サッカー批評』(双葉社)の編集長。『フットボールサミット』(カンゼン)の創刊時の編集長も務める。サッカー関連書籍の編集も多数手掛ける。9月より『フットボール批評』(カンゼン)編集長。

 弊社カンゼンでは『サッカー批評』(双葉社発行)の編集を約10年にわたり行ってきましたが、7月10日に発売された69号をもちまして全面リニューアルされることになりました。

『サッカー批評』のような媒体の編集を長く続けることができたことに深く感謝しています。と、同時にこのような硬派な媒体をなくしてはいけないとも強く思っています。

 そこで、カンゼンでは『フットボール批評』を刊行していくことに決めました。編集方針としては、従来の『サッカー批評』のコンセプトを継続し、Jリーグ、日本代表を中心として、ピッチ上の出来事のみならず、チームマネジメント、クラブ経営、育成、メディアなど、日本サッカー発展のために必要なことを様々な角度から真摯に深く掘り下げていく方針です。

 日本代表はワールドカップ・ブラジル大会で惨敗しました。選手の戦う姿勢を嘆く声も多く上がりましたが、自戒の念を込めて思うのは、メディアは戦えていたのか、ということです。4年前も8年前も、W杯を戦った日本代表への十分な総括は行われず、今回もまたそれが繰り返されようとしています。本当に大事なことが覆い隠されようとするとき、誰がそのことを伝えていくべきなのか。サッカー協会の責任は重大ですが、それを許してきたメディアにも大きな責任があると私は思っています。

 いま必要なことは、急いで前に進むことではなく、足元を見つめ直すことです。

 結果に一喜一憂しすぎることなく、日本サッカーの長所と課題を冷静に見極めながら、タブーなく常に問題提起していく。そして、他人事のような批評ではなく、自らに問いかけながら、どうすれば日本のサッカーは強くなるのか、真剣に考えて伝えていく。
『フットボール批評』は戦うメディアでありたいと思います。本当にサッカーを愛する書き手と作り手の力を結集していくことで、日本サッカーの発展に貢献できる媒体にしていきます。

 現在、9月発売を目指して鋭意制作中です。これまで以上に高い志をもって制作にまい進していく所存ですので、ご期待ください。そして、ぜひ忌憚のないご意見をください。1つひとつの記事が本質をついているのか、いないのか。良質な批評が、真の批評が日本のサッカーを強く、豊かにします。ぜひ力を与えていただければと思います。

『フットボール批評』編集長 森哲也

編集長略歴:森哲也
2006年12月~2014年7月まで『サッカー批評』(双葉社)の編集長。『フットボールサミット』(カンゼン)の創刊時の編集長も務める。サッカー関連書籍の編集も多数手掛ける。9月より『フットボール批評』(カンゼン)編集長。

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