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日本代表 10年前

自滅型ミス減少への挑戦とトレンディなゴール。見えたアギーレジャパンの指標と続く選手へのテスト

text by 西部謙司 photo by Getty Images , Asuka Kudo / Football Channel

トレンディな2つのゴールとアジアカップへの締め切り

自滅型ミス減少への挑戦とトレンディなゴール。見えたアギーレジャパンの指標と続く選手へのテスト
2点目は柴崎と武藤が短いパスで持ち上がり、左の岡崎へ展開、岡崎のクロスを柴崎が圧巻のロングランからゲット【写真:Getty Images】

 トレンディと書くだけで恥ずかしいが、日本の2つの得点はW杯の傾向とこじつけて「今風」と持ち上げられそうな形だった。

 1点目は自陣深くからのロングボールを相手が跳ね返したが、こぼれ球を武藤が拾ってそのままドリブルシュートを叩き込んだ。岡崎が競り勝って落としていれば完璧だったが、セカンドボールを拾うのも立派なカウンターの形である。

 2点目はやはり自陣深くから柴崎と武藤が短いパスで持ち上がり、左の岡崎へ展開、岡崎のクロスを柴崎が圧巻のロングランからゲット。この流れは見事だった。

 ここ2試合に関しては深く構えて守る形が多く、カウンターアタックの距離も長くなっている。引いたときは前方に1トップを残すだけなので、1トップのロングボールを収める能力が問われる。また、一気に後方から飛び出す走力も不可欠。その点で今後の指標になる2ゴールだった。

 アギーレ監督の最初の2試合は、オサスナ時代の戦術と同じといっていい。最初から型を決めておいて、まずは選手を当てはめてみた感じだ。来年1月のアジアカップまでは4試合が予定されているので、まだ選手の適性チェックは続くだろう。

 とはいえ、アジアカップまでには人選と戦術をまとめなければならない。いつまでもテストを繰り返すわけにはいかないので、どこかのタイミングで締め切りは設定されるはずだ。

 アギーレ監督は選手の特徴に合わせて戦術を決めると明言している。まだ香川と長谷部のテストが終わっていない。香川をどこで使うのかは興味深い。キーポジションのアンカーで起用したのも森重だけ、本田のウイングも疑問だった。アジアカップへ向けてまとめに入るのはやはり大会直前になるのではないか。

【了】

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