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Jリーグ 10年前

臨機応変にシステムを変えたFC東京。その中でボールを奪い続けた米本の存在感

上位争いに食い込みたい8位・FC東京は、ホームに5位・ヴィッセル神戸を迎えた。結果は引き分けに終わったが、システムを変えながら勝利を目指した。

text by 青木務 photo by Getty Images

インサイドハーフとアンカーの間のスペースを使われた

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ボールを奪い続けた米本【写真:Getty Images】

 天皇杯を含めて公式戦3試合勝ちがないFC東京。16節からリーグ戦5試合連続無失点というチーム記録に並んだが、最近は複数失点を喫している。

 天皇杯4回戦では清水エスパルスに1-2で敗れている。この試合では前がかりになるあまりカウンターを受ける場面が多かったが、この日のヴィッセル神戸戦ではまず守備から入った。

 重心を低くして相手の攻撃を食い止め、奪ったボールを素早く前線に展開。日本代表の武藤嘉紀らをスペースに走らせた。

 今シーズンからマッシモ・フィッカデンティ監督が就任し、FC東京は4-3-3に挑戦している。

 とはいえ、たったひとつのシステムに固執しないのが今年のFC東京だ。自分たちのコンディションや相手の戦い方など、試合展開に応じて臨機応変に布陣を変えている。

 シーズン途中から採用している、河野をトップ下に置く4-3-1-2も板についてきた。

 この日のヴィッセル神戸戦もダイヤモンドの4-3-1-2でスタートした。しかし、アンカーとインサイドハーフの間のスペースを使われ、攻め込まれる場面があった。特に神戸の右サイドで出場した森岡亮太が頻繁にそのスペースへ侵入し、ボールを受けていた。対面する形の米本拓司にとっては、森岡についていくと外が空いてしまい、パスを繋がれた。神戸の攻撃が機能している時、米本が一人で2、3人の相手を見なければならないという状況に陥った。

「そうだと思いますね。向こうも研究してくることだと思うので、前半は難しかった」と、 米本も相手の戦いに手を焼いていた様子だった。

 そんな中でフィッカデンティ監督はアンカーの高橋秀人をセンターバックに配し、米本と羽入直剛のダブルボランチという形をとった。

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