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「お前なら出来る、そして楽しめ」。丸岡をブンデスデビューさせたクロップ監督の選択。“目先の勝利より将来を”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

目先の勝利より将来を見据えたクロップの選択

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マインツ戦でクロップは、目先の勝利ではなくて、若い選手の未来を育むことを選択した。【写真:Getty Images】

 8月13日にバイエルン・ミュンヘンとの間で行われたスーパーカップの一戦の後の記者会見では、ペップ・グアルディオラとクロップの壮観な姿があった。ブンデスリーガだけではなく、チャンピオンズリーグといった欧州を戦う指揮官が揃ってひな壇に座っている。

 マインツ戦でクロップは、もちろん状況が難しかったことがあるが、目先の勝利ではなくて、若い選手の未来を育むことを選択した。

 そしてその選択が正しかったことは、「これから経験を積んで、もうちょっと活躍出来るようにやりたい」といった試合後の丸岡の前向きな言葉にも見て取れる。

 9月17日付のドルトムントの地元紙ルール・ナッハリヒテンでは、さほど大きくはないが、「スタンコビッチとマルオカがU-19を強化する」という見出しの記事が掲載された。

 同日現地時間で12時のキックオフとなったU-19世代のチャンピオンズリーグであるUEFAユースリーグのアーセナル戦を前にして、U-23で出場するスタンコビッチと丸岡が力になる、といった内容のものだ。

 地元紙で少し取り上げられるようにもなり、丸岡が、ドルトムントの、クロップの懐の中で、一歩一歩と前へ進む様が垣間見える。

 ユルゲン・クロップの奥の深さが見えた、マインツ戦の80分だった。

【了】

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