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セリエA 9年前

アッレグリのユベントスは「本物」か? 国内では圧倒もCLで暗い影。欧州での奮起が証明の鍵

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

マルメ戦で分かるもの

 おそらく26日に行われるマルメとの試合を終えた時点で分かることがいくつかあるだろう。

 まずは、新たな戦術が功を奏したこともあって、ユベントスの射撃手たちが突然のように照準を合わせることができるようになったというのが本当なのか。あるいは、今回もまた何らかの理由で、ユベントスのシュートがなぜかネットの中に入ろうとしないのか。

 細かいことだとして無視できるものではない。欧州での過去2シーズンあまりの戦いで、ユベントスの成績は全体的に残念なものではあったが、バイエルン・ミュンヘン戦の2試合を除けば相手に圧倒されたことは全くなかったということも指摘しなければならない。

 例えばチェルシーやレアル・マドリーが相手であってもだ。それでもゴールは決まらず、勝つことはできない。最近12試合でわずか3勝という成績だ。

 だがそれ以上に、今必要なのは変化の兆しを見せられることだろう。アッレグリが指揮を執ることで、欧州で新たなユベントスを見せることができるという感触が必要だ。

 もちろんそのためには、まずは選手たちが良いパフォーマンスを見せねばならない。チャンピオンズリーグは、その定義からして、チャンピオンたるにふさわしい者が勝つ大会だからだ。

 その証拠に昨季のユベントスを敗退に追い込んだのはドログバやスナイデルといった選手たちであり、彼らが重要な場面で決定的な働きをしたからこその結果だった。

 最後に、一つの重要なデータを紹介しよう。今季のセリエAで、“カルリートス・テベス”(テベスの愛称)はここまで11試合に出場して9ゴールを記録している。9ゴールという数字は彼が欧州の大会で記録した通算ゴール数とも同じだが、そのために54試合を要している。

 ユーベが欧州での栄光を取り戻し、アッレグリのユーベがコンテのユーベを上回ることができると証明するためには、テベスも他のチームメートたちも欧州での奮起が必要であることは明白だ。

【了】

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