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Jリーグ 9年前

研究熱心だが勝負弱い。マリノス内定のモンベール監督の実像に迫る。日本への適応性は?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

戦術本も3冊出版。研究者として評価

 31才でPSGの育成所のコーチングスタッフとなり、3年後には当時2部にいたギャンガンの監督に就任。これは1年しか続かなかったが、初の指導者体験となった。

 その後職を得たカンヌの育成部門には、若きジダンもいた。

 そして、99-00シーズンから6シーズンにわたって、トゥールーズに在籍。最初は育成部門を担当したが、3年目にトップチームの監督に就任。

 当時は3部(ナシオナル)に所属していたが、1シーズンでリーグ2に昇格させると、翌年にはリーグ1にステップアップと、2シーズン連続で昇格を実現し、02-03シーズンには年間最優秀監督にも選出されている。

 トゥールーズをリーグ1で3シーズン率いたあとは、フランスサッカー協会に引き抜かれ、U-18監督を1年、U-21監督を3年務めた。そして2012年12月からは、先日まで籍を置いていたル・アーブルの監督、というのがここまでの略歴だ。

 モンベールは、体育教員の資格も持つ傍ら、戦術研究にも熱心で、戦術本もこれまで3冊出版している。また、地方の強化委員を務めた経歴もあり、若いタレントを発掘する才には長けている。

 よって、フランスでは、『指揮官』というより『研究者』『育成者』としての評価が高い。

 逆に監督としては、クラブチームでの戦績も、3部と2部リーグでの優勝を除いては、リーグ1でトゥールーズを3季率いた間の成績は16位、13位、16位、ル・アーブルも現在10位と凡庸だ。

 3年間監督を務めたU-21代表では、46試合で28勝11分7敗と、勝率は悪くないが、彼が率いた期間、フランスユース代表は、2009年、2011年、2013年と、3回連続して欧州選手権出場を逃している。

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