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ハレ舞台としての選手権。リーグ戦文化が育った現代だからこそ持つ意味とは?

text by 大島和人 photo by Kawabata Akihiko

挑戦者メンタルが波乱を呼ぶ

 私が目の当たりにした中で、特に驚かされた快進撃は12年度の鵬翔高だ。1回戦、2回戦ともスコアレスからのPK戦で“その先の快進撃”を予感させる要素はほぼ皆無だった。しかしそんなチームが3回戦で佐野日大、準々決勝で立正大淞南を退け、優勝まで突っ走っていってしまったのである。もちろん相応にグッドチームだったし、特に守備は出色だったが、3回戦以降は言ったらどの試合も“番狂わせ”だった。最初がギリギリだったからこそ、選手たちは突き抜けて怖いもの知らずになり、気付くと“ゾーン”に入っていた。

 選手権には“負けたら終わり”の悲劇性と同時に、“負けてもゼロになるだけ”という気持ちの入れ方もある。そんな大会だから恐れ知らずの、挑戦者メンタルを持ったチームが有利になる。それがトーナメント戦の醍醐味であり、特徴ではないだろうか。

【了】

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