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元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第14回 2014シーズンの始まり

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

今シーズン最初の公式戦は3月2日の千葉県選手権(天皇杯予選)1回戦

 リーグの開幕は4月6日だったが、今シーズン最初の公式戦は3月2日の千葉県選手権(天皇杯予選)1回戦の中央学院大学戦だった。

3月2日。千葉県選手権1回戦 対中央学院戦 2-0○

新加入選手は11人だったが、スタメンに名を連ねたのはそのうち4名。チームが成長していくうえでチーム内の競争、新加入選手の活躍ということは非常に大事なことであるが、この試合ではしっかりそれが表現され既存の選手と新加入選手がしっかり融合し結果を出すことができた。

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第14回 2014シーズンの始まり
【写真:©VONDS市原】

3月9日。千葉県選手権2回戦 対順天堂大学戦 2-1○

 チーム作りはこの日をひとつのターゲットにしてきた。この試合に勝たないことには天皇杯への道は閉ざされてしまう。しかも相手は関東大学リーグ1部に在籍する名門だ。

 試合前のミーティングではあえて、「今という時間」を意識させるような話をすることにした。「選手」の時間はやはり特別である。サッカーに情熱を傾け、犠牲を払い、研鑽を続ける。その成果を試す場が1週間に1度訪れる。こんな刺激的な生活サイクルは現役を退いてからはなく、君たちが過ごしている今という日常は、実は非日常的な特別な時間なんだということを熱を持って伝えた。現役を退いてからの率直な自分の想いでもあった。

 この日の試合は非常に集中力が高く、良い内容のゲーム運びができていた。

 試合は後半に動く。カウンターからサイドを崩し、クロスから小川のゴールで先制。続いてセットプレーの流れで中座のクロスから坂本がゴールして2点目。その後1点を返されるが、そのまま終了して決勝に駒を進めることができた。

3月16日。千葉県選手権決勝 対浦安SC戦 0-2●

 早速昨年のリベンジの場が訪れた。しかしながら一つの懸念事項は結婚式で出場ができない選手がいたことだった。その週はその選手の穴を埋めるために何人かの選手を試しながらフィットする形を探していた。

 サッカーの試合というのは不思議なもので、メンバー選考、配置を間違えると必ず結果に直結する。

 その選手が悪いというよりは、その場でその現象が起こるような配置、選考をした自分の采配を今では反省している。

 適材適所とはよく言うが、一方で奇策も結果が出れば「勝てば官軍」となる。この試合に限っては「負ければ賊軍」となってしまった。

 監督の立場としては能力の高い選手にいくつかのポジションを担わせることがあるが、一方でそのポジションの2番手の選手に機会を与えることも重要である。プレシーズンでその序列がしっかり決まってなかったこともあったが、この試合に限っては天候,選考、配置などで、ゲームの流れを後手に回してしまったのは事実だった。

 天皇杯への道は早くも閉ざされてしまった。しかしながら、リーグの開幕は2週間後。Tonan前橋、流通経済大学と2試合の準備期間を終え開幕を迎えることとなった。

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