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元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第14回 2014シーズンの始まり

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

2014年1月~3月 Club management

 この時期に一番大変だったのはグラウンド作りにおいての設計会社、土木業者、建築業者の方々との打ち合わせだった。

 昨年から全くのド素人が、会議に加わり、専門用語をメモし食らいつきながらではあったが、この時期には少しずつ流れも掴め、時にはMTの進行も行っていた。しかしながらこの分野は少し間があいてしまうと進捗状況が把握することが難しく、前回の資料やメモを見ても、何が問題点であったかを思い出すことが困難なことが何度もあった。

 GMとして、強化、運営、営業、広報、グラウンド建設業務など、それぞれの分野で情報、問題の管理をしっかりした形で行っていないとすぐにこんがらがってしまい、問題点を見つけてスタートラインに立つに労力を奪われる。

 選手時代には色々な問題といってもやはり分野は限定されていて、その中で起こる問題だっただけにフォーカスがしやすかった。

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第14回 2014シーズンの始まり
【写真:©VONDS市原】

 スペシャリストとして時間を過ごすことにはなれてきていたが、ゼネラリストとしての時間の過ごし方、管理の仕方はまだまだである。

 強化面ではありがたいことに、Jリーグからお話を頂き、新人研修の講師の依頼を頂いた。自分が現役の時に感じたことを整理し、伝える機会にもなるし、何よりもこれからの時代を作る選手たちの門出に関わることができるということは非常にありがたいことであった。

 またそこでは現役の時にご一緒した、福田さんや、中山さん、同級生で引退したばかりの戸田和幸、グラウンドでともに情熱を傾けた先輩や、仲間と再会できた時間は自分にとっても多いに刺激となり、力をもらえた。立場を変え、サッカー界にどう貢献することができるのか? そんなことを考える日々である。

 運営方面では新たな試みで、市からの委託事業を受け、「賑わい市」というお祭りを毎月、企画・運営するということに乗り出した。4月から始まる大規模なイベントに向け、新年からこちらにもかなりの労力を注ぐこととなった。

 営業面でも昨年11月に株式会社を設立し、市内に株主探しに走り回る日々となった。振り返ってみればだが、営業、運営の部分は昨シーズン(2014シーズン)はかなり力を注いだ業務であった。それなりの成果をあげ、それによってクラブとしても何物にも代えがたい経験となったが、実際にはマンパワー不足により現場では様々な問題が起こり、その都度よくぶつかった。この経験はぜひとも今季活かしていかなくはと思う。

 組織作りにおいても、一般社団法人、株式会社が立ち上がり、理事会、取締役会が頻繁に行われるようになり、資料作り、進行、決議といった慣れない作業は今まで使ったことのない頭を使っているようで、疲労度も日を追うごとに増していったように思う。

 初めての連続。それは新鮮さと共に、膨大なエネルギーを要することでもあった。

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