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代表 9年前

リスク回避のアギーレJ、“開催国枠”の座を掴んだ韓国。各国の明暗を分けたア杯の不公平な日程

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

疑問の残るアギーレの決断

リスク回避のアギーレJ、“開催国枠”の座を掴んだ韓国。各国の明暗を分けたア杯の不公平な日程
日本代表は4試合で小林らの出番はなかった【写真:Getty Images】

 一方、日本代表の日程に対する考え方はどうだったのだろうか。

 本田圭佑はGLが進むにつれて休養日の不足について不満を漏らしていたが、彼らが12日間で戦った4試合全てで同じスタメンを起用したハビエル・アギーレ監督の決断に疑問を投げかけたい。

 メキシコ人指揮官は、強豪ではないパレスチナを含むグループDの中でも、GL敗退の可能性も残っていた状況下でリスクを犯せなかった。しかし、いくつかの場面で彼が控えプレーヤー数人を起用していれば、今大会でより大きな利益を得ることができたであろう。

 太田宏介や小林悠に出場機会はなかったが、もし引き分けでもグループ首位突破が決まっていたヨルダン戦でプレーしていれば、長友佑都や岡崎慎司は準々決勝のUAE戦に十分な体力が残された状態で挑めていたかもしれない。

 もちろん全ては憶測だが、これまで十分に使われてこなかった柴崎岳の投入によってチームに少しの活気を注入できた一方で、豊田陽平や武藤嘉紀が途中出場のみだったは見逃すことのできない過ちだった。

 ひょっとすると、敗退が決定した準々決勝より前に次の会場に手荷物を送ったJFAスタッフを含む一部の人々のように、アギーレ監督も日本代表が勝ち上がることを期待し、待ち受ける厳しい戦いを見据えて控え選手を温存したのかもしれない。

 疲労困憊の日本代表は予想より早く大会を去ることになったが、もし韓国が休養期間の利点を生かして週末の成功を手にすることになれば、日程への関心は高まる一方だ。

【了】

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