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代表 9年前

遂に頂点へ――。アジアの雄へ正式に名乗りをあげたサッカルーズ 

text by 植松久隆 photo by Getty Images

陰のMVP、ミリガン

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陰のMVPともいえる活躍を見せたマーク・ミリガン【写真:Getty Images】

 試合後半は、何とか点が欲しい韓国と追加点を狙いつつ逃げ切りを図りたい豪州の思惑が真っ向からぶつかり、両軍がっぷり四つに組んだ一進一退の激しい攻防が繰り広げられた。韓国の追いつかねばならないという気持ちが若干上回ったのか、後半もアディショナルタイムに入ったところで、エースのソン・フンミンが豪州DFの一瞬の隙を逃さずにゴール。試合は、土壇場で振り出しに戻り、韓国は俵に足が掛かったところで踏みとどまった。

 そして迎えた延長戦。終了間際で同点に追いつかれたショックと、試合時間が20分を切ろうかとする時間帯にケガで相次いで手持ちのカードを切らざるを得ない想定外の局面に見舞われたポスタコグルー監督の方が、より苦しい立場に立たされていた。

 しかも、ケガで交代したのは、左右のウィングポジションをマシュー・レッキ―と入れ替わりながら効果的な突破を見せていたロビー・クルーズ、そして、先の試合の負傷から何とかこの試合に間に合った不動の右SBイヴァン・フラニッチの2人。豪州の戦力ダウンは避けられないかと思われた。

 しかし、ここでも流れは韓国に完全に傾くことは無かった。控えのクリス・ハードが既に離脱して本職の控えがいない右SBには、マーク・ミリガンが入った。このポジション変更で、ミリガンが動いたインサイド・ハーフには、交代で入った本職のマット・マッカイが収まることで負傷退場の影響を最小限に抑えることができた。

 ミリガンは、この大会の陰のMVPと評価できる素晴らしいユーティリティぶりをこの試合でも存分に発揮、大会を通じていぶし銀の活躍を見せたことをここで特筆しておきたい。

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