フットボールチャンネル

代表 9年前

豪州サッカー、一時代の終焉――。“スキンヘッドのテクニシャン”ブレシアーノに贈るトリビュート

text by 植松久隆 photo by Getty Images

パルマで中心選手として活躍

 ブレッシアーノは、伝統的にフィジカルを前面に出した馬力型の選手が多い中で、数少ないスキルを売りにしてきた選手で、独特のスキンヘッドという風貌も相まって、サッカルーズの中盤で常に存在感を発揮してきた。

 2001年のデビュー以来、足かけ15年で84試合13得点の成績を残しているが、この84試合という出場数は、現時点での歴代5位タイにあたり、“レジェンド”の称号に相応しいものだ。

 そんな彼のプロサッカー選手としてのキャリアは、出身地のビクトリア州メルボルンで育まれ、父祖の地・イタリアで花開く。

 ローカル・クラブのカールトンから、チームメイトで共にイタリア系のヴィンス・グレッラ(筆者注:元サッカルーズMF。既に引退。パルマやブラックバーンなどで活躍)と共に、当時セリエBに降格したばかりのエンポリに加入。2人の有望なイタリア系オージーは、イタリアの高いレベルで揉まれて、切磋琢磨しながら順調な成長を見せる。

 エンポリを3シーズンでセリエAに復帰させた02年、ブレッシアーノは22歳でパルマに移籍。この時の7万ユーロ(現在のレートで約928万円)という移籍金は、当時のオーストラリア人選手としての最高価格であったとされる。ちなみに、遅れてパルマに移籍してきたグレッラとは再びチームメイトとなり、2人の奇縁は続いた。

 パルマでもすぐに存在感を発揮したブレッシアーノは貴重な戦力として4シーズンを中心選手として戦った。その後、パレルモ、ラッツィオとセリエAのチームを渡り歩き、12年のイタリアでのプレーを経てからは、現在に至るまで中東でプレーをしている。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top