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無慈悲を超えた狂気――。バイエルンを駆り立てるカウンターへの恐怖、そして決勝の地ベルリンへの渇望

text by 本田千尋 photo by Getty Images

大量7得点の圧勝、10人を相手に容赦なし

 それでも、10人となったシャフタールはバイエルンを相手に果敢に抵抗した。バイエルンが追加点を奪えたのは、先制してから30分が経過した後のことである。ボアテングが2点目を入れるまでの間、劣勢の中でもシャフタールはカウンターを繰り出した。 

 14分、ゲッツェの左のCKからの混戦を抜け出して、ルイス・アドリアーノが中央のテイシェイラへとパスを送る。テイシェイラは、右に開いたタイソンとのワンツーで、バイエルンDFの裏へと抜け出す。ここはボアテングがきっちり潰した。

 また16分にもテイシェイラがカウンターに出ようとする。ここではアラバが1対1で競り勝ってボールを奪う。34分にボアテングが追加点を奪った後、試合終了までにバイエルンは5得点を叩き込み、7-0。10人のシャフタールを相手に、一切手を抜くところはない。

 そうした姿勢は、バドシュトゥバーが「常にカウンターは警戒する必要があった」と述べているように、シャフタールのカウンターをとことん潰そうとする姿勢にも見て取れた。9日付のキッカー紙がラームに問い質した、カウンター・コントロールを徹底した。

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