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Jリーグ 9年前

広島、奪冠のカギはツーシャドー。「縦への推進力」はクリア。3枚のカードで変化を生み出せるか

text by 竹島史雄 photo by Getty Images

講師役も兼ねる森﨑浩、爆発的スピードを持つ浅野

広島、奪冠のカギはツーシャドー。「縦への推進力」はクリア。3枚のカードで変化を生み出せるか
森﨑浩司のボール配給のタクトは絶品【写真:Getty Images】

 実はサンフレッチェのサッカーはイメージが先行している。ゴールキーパーからのビルドアップと細かなパスワークから広島はゆったりした攻めとされ、また見ているほうもそれを期待する声もある。だが、最も怖いのはボールを奪ってからの早いテンポでのカウンターから佐藤寿人がしとめるパターンである。

 それはハイカウンターの概念であるゴール50メートルのハーフウェイ以内からだけでもなく、青山のロングキックに代表されるように相手ゴール前低い位置でのボール奪取からも2手3手でゴールを奪える。ハンドボールのようなオールエリアでのシンプルなカウンターが広島のファーストチョイスである。

 今季の開幕でコンビを組んだ森﨑浩司、浅野拓磨のコンビは、基本である「縦への強烈な推進力」を生み出すコンビであり、アイデアにあふれ、かつ縦に爆発的に速い攻めを具現化することを求めているようだ。

 浅野拓磨は開幕2戦で自身の手ごたえを増やしているに違いない。ボールをキープして、なおかつドリブルで前線に運ぶ役割を存分に担い攻撃のラインをあげることに貢献している。

 だが自身も「ゴールを奪えてなんぼ」というように目標はそこではなくあくまで得点力だ。だが、いずれゴールラッシュが来るだろうとの匂いも充分に漂う。

 一方で森﨑浩司のボール配給のタクトは絶品だ。ピッチのスペース、自他の選手の数、90分の中での時間、スコア、選手心理と勢い、スタジアムの雰囲気、すべてを把握しながら、時に短く時に長く、キープするときもあればワンタッチで離す。サッカーをコントロールすることはこういうことだと、他の選手にまさに指導しながら戦っている。

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