90歳の誕生日を迎えたデットマール・クラマー氏【写真:Getty Images】
”日本サッカーの父”と呼ばれ、東京五輪の躍進、メキシコ五輪の銅メダル獲得に大きく貢献、日本サッカーの礎を築いたデットマール・クラマー氏が4日、90歳の誕生日を迎えた。
同氏の誕生日に際し、ドイツの皇帝と呼ばれたフランツ・ベッケンバウアー氏がドイツ紙『ビルド』を通じて祝辞を述べている。
同氏は「私はデットマールが、まだ元気に長生きできることを祈っています」と、90歳を迎えたクラマー氏へ健康と、更に年齢を重ねて長生きできることを望んでいる。
90歳という高齢と、さらに小さな手術を行った後で少し弱っているということもあり、大きなお祝いは行われないという。
1975、76年にバイエルン・ミュンヘンを率いてUEFAチャンピオンズカップ(チャンピオンズリーグの前身)を連覇したクラマー氏。ベッケンバウアー氏とは1963年にユース代表のコーチとして初めて対面した。
ベッケンバウアー氏は当時を振り返り、「彼と一緒の部屋で過ごすことがあったのなら、私は眠ることが出来なかっただろう。それぐらい怖かった」と、明かしている。
また、試合前のミーティングが相当長かったようで「みんな理解することが出来なかったよ。あのゼップ・マイヤーでも」と話し、「デットマールは対戦相手のどんな小さな情報でも知っていた」と、相手の分析を綿密に行っていたようだ。
相手の細かな分析に時間を費やし、”ナポレオン”と呼ばれるほど眠らなかったと同紙は形容している。
さらにベッケンバウアー氏は「この経験は私が監督になった際に大きく役に立った」と、話している。
ドイツの皇帝すらも手本としていた日本サッカーの父。まだまだ長生きし、2020年に行われる東京五輪でもう一度日本サッカーの勇姿を見届ける事を期待したい。
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