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CLベスト8、1stレグ。激闘必至のPSG対バルサ。サイドを制するのは? 鍵を握るタッチライン際の攻防

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ヴェラッティとイブラヒモビッチを出場停止で欠くPSG

 その中でも注目されるのは、やはり中盤の攻防だ。溢れる創造性を生み出す攻撃にハードワークを惜しまない守備。相反しながらも互いに求め合うこの2つの要素を完璧なまでに兼ね備えたトライアングルをともに備えている。

 しかし、その中盤以上に鍵を握りそうなのがサイドの攻防だ。

 パストーレとカバーニのウイングにマルキーニョスとマクスウェルのSBで形成されるPSGの両サイドは高い質を誇る。そんなPSGを持ってしてもバルサのサイドは異次元。メッシとネイマールのウイングはピッチで縦横無尽にプレーし、アルバとダニ・アウベスのSBはウイング級の攻撃力を持つ。

 一見すると、やはりバルサが圧倒的とも思えるが、そうも行かないのが世の常。ダニ・アウベスはベスト16で1度ずつ警告を受けて出場停止。長くバルサの右サイドを担ってきたアウベスの欠場は痛い。

 とはいえ、代わって右SBを務めることが濃厚なアドリアーノは有能な選手であり、十分な貢献を見せている。バルサが“お家芸”の支配力を発揮するためにも、メッシとネイマールがその力を示すためにも、このSBのパフォーマンスは重要なものとなる。

 逆に、ヴェラッティとイブラヒモビッチを出場停止で欠くPSGはセンターラインに不安がある。それだけに、やはりサイドの奮闘は不可欠だ。イブラヒモビッチが不在の場合、カバーニがセンターFWで起用されるため、パストーレとラベッシがウイングを務める可能性が高い。

 センターラインの負担を減らすためにも、メッシとネイマールに押し込まれる展開だけは避けつつ、チャンスをものにしたい。

 PSGはマルセイユ、バルサはレアル・マドリーというライバルを相手に勝利を収めてリーグ戦首位に浮上し、上昇気流に乗っている。パルク・デ・プランスでは105メートル×68メートルのピッチ全面で激しい攻防が期待できるが、まずはタッチライン際に注目したい。

【了】

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