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優勝候補バイエルンはなぜ完敗したのか? “ペップ・スタイル”を逆手に取ったポルトの知性

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ラウンド突破に黄信号が灯ったバイエルン

 マルティネスが語ったポルトの戦略の前に、バイエルンは持ち味をほとんど出すことができなかった。シュート数はポルトが7本に対して、バイエルンは4本に終わった。28分に、右サイドのボアテングのクロスから、チアゴが1点を返すに止まった。

 ポルトは64分、アレックス・サンドロのロングボールの処理をボアテングが誤って、マルティネスの足元にボールが来る。少し流れたが、マルティネスはノイアーを交わして、3点目を決め切っている。

 クアレスマは「我々は皆全てがチームにとって欠かせない要素だ」と言う。そしてそういった「クラブの連携」の上に、マルティネス、クアレスマといった「個」が上手く融合している。それがバイエルンに相対したポルトだった。

 一方のバイエルンは、「クラブの連携」こそあれど、「個」が足りなかった。11日のフランクフルト戦で好パフォーマンスを見せたレヴァンドフスキは、90分を通して影を潜め、ゲッツェは56分に途中交代となっている。リベリー、ロッベンの不在が響いた。

 バイエルンはチアゴが決めたアウェイゴールで望みを繋いだ。しかし信号は黄色が点滅し、赤が灯ろうとしている。

【了】

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