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香川真司 9年前

「決め切りたかった」。香川が悔やむ1-1。“7位”が持つ特別な意味、積み上げられなかった勝ち点

text by 本田千尋 photo by Getty Images

残り3戦、EL出場を確実なものとできるか

「決め切りたかった」。香川が悔やむ1-1。“7位”が持つ特別な意味、積み上げられなかった勝ち点
EL出場権獲得に向けて、クロップ監督も難しさを強調する【写真:Getty Images】

 一方で56分に香川は、右足のアウトでビチャクチッチとアブラハムのCBの間にオーバメヤンへと素晴らしいパスを通している。しかしエリア内でオーバメヤンからパスを受けたムヒタリヤンは、決めることが出来ない。

 オーバメヤンはトップスピードに至ることが出来ず、ミキタリヤンは体が「重かった」。切れ味が失われていた。

 74分には香川に代わってインモービレが投入されて、オーバメヤンと2トッップを組む。カウンターから2トップで裏を狙うという試みは、コンディションの重さを考えれば、合理的で仕方のない方法だったが、終ぞドルトムントに馴染めなかったインモービレでは、ゴールを奪い切ることは難しかった。

 ホッフェンハイムとドルトムントでは、どうしても前提条件が違った。だからクロップは試合に臨むにあたっての会見で「言い訳は無用」と語ったように、もちろんコンディションを「言い訳」にすることは出来ない。

 言い訳は出来ないが、それでも1-1という結果は、体調面を考えれば悲観するものではないだろう。後半にはドゥルムのミスパスから、ランゲラクのキャッチミスから、モデステにもう2点を決められてもおかしくなかった。

 しかし残りの3試合を考えた場合ではどうか。

「もちろん残りの3試合でホッフェンハイムの上(7位)に行きたいが、我々が今日見たように、それは簡単ではない…」

 クロップのこの言葉は諦念の現れなのか、それとも。

【了】

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