国内では圧倒的強さで優勝したチェルシー。しかしCLでは…
今季のプレミアリーグは、5月3日の35節クリスタルパレス(1-0で勝利)でチェルシーの優勝が決まった。2010年以来のリーグ優勝は、昨季から復活したモウリーニョ体制の第1目標。その達成を以て、来季はモウリーニョ体制では通算でも初のCL(チャンピオンズリーグ)優勝が目標としての重要度を増す。
もっとも、CLでの好成績が望まれる来季は他のプレミア勢も同様だ。今季の4チームは決勝トーナメント1回戦で全滅。しかも、過去3年間で2度目の8強入り失敗。欧州での低調が続けば、2017-18シーズンにはプレミアからのCL出場枠が3枠に減る事態も危惧される。
巻き返しの旗手となるべきチェルシーでは、大一番で堅実策ではなく積極策をとる勇気が指揮官に欲しい。たしかに今季のリーグ優勝は、終盤戦で守りを固めた「モウリーニョ流」による逃げ切りで実現を見た。優勝までの5試合は4試合が無失点。堅実策をチームが実行できる点はチェルシーの強みでもある。
しかし、開幕から首位を維持した要因には攻めて勝つ姿勢を打ち出した前半戦の強さもある。堅守速攻が絶対的な勝ちパターンだった前回モウリーニョ時代とは違い、現チェルシーは優勝のPKを奪って決めたアザールに代表される攻撃陣を看板とする集団に変わりつつある。チームの特長を生かすという意味でも、10人になったPSGを相手に主導権を握れず、指揮官の慎重さが裏目に出た今季CL16強敗退を教訓としなければならない。
また、欧州との二足のわらじを履くにはローテーション採用も必要だろう。特にベテランのテリーとイバノビッチが不動だった最終ラインでは、ケイヒルも来季中に30代の仲間入りだ。