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欧州で勝てなくなったプレミア勢。来季CLで巻き返すために必要なこと

text by 山中忍 photo by Getty Images

戦力では劣るユナイテッドとリバプール

欧州で勝てなくなったプレミア勢。来季CLで巻き返すために必要なこと
ユナイテッドのファン・ハール監督(右)とリバプールのロジャース監督【写真:Getty Images】

 残るCL枠を争うマンチェスター・ユナイテッドとリバプールも、今夏の補強が欧州でのプレミア勢復興に寄与する前提となる。ユナイテッドのファン・ハール監督は、醸し出す自信といい、理想に固執しない現実主義といい、モウリーニョと並ぶ勝ち方を知る名将だが、肝心のチーム戦力で引けを取る。

 守備の要には、噂のフンメルス(ドルトムント)のように後方からのリーダーシップ発揮と組み立てを可能にするCBを、CFには斜陽のファン・ペルシーに代わる得点源を迎えたい。得点機を物にできなかった35節ウェストブロムウィッチ戦(0-1で敗戦)では、フェライニが最前線で、2列目にファン・ペルシー、さらに後にルーニーという配置も見られたが、適材適所とはほど遠い陣容では国内外で優勝など狙えるはずもない。

 ユナイテッドの3連敗で4位への僅かな希望が芽生えたリバプールはトップ4候補中最弱の戦力。埋まらなかったスアレスの穴に加え、ジェラードのLAギャラクシー行きで「小粒感」が増すチームがクリアすべき補強のハードルは多い。

 もちろん、リーグとして改善を検討すべき点もある。指摘されて久しい“ウィンターブレイク”導入だ。国内の過密日程はCLにおけるプレミア隆盛期と言える09年までの6シーズン当時も同じだったが、TVマネー”で潤うプレミアは中位以下も戦力アップが続いて「楽勝カード」などない状態。休みなく戦う選手の疲労度は心身両面で増す一方だ。

 とはいえ、リーグ関係者から漏れるのは「日程的に中断期を設ける余裕がない」という声ばかり。プレミア強豪は自軍に可能な改善策を講じるしかない。欧州での早期敗退が息の長いトレンドにならないように。

【了】

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