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欧州で勝てなくなったプレミア勢。来季CLで巻き返すために必要なこと

text by 山中忍 photo by Getty Images

改善が必要なシティとアーセナル

欧州で勝てなくなったプレミア勢。来季CLで巻き返すために必要なこと
上位に位置するアーセナルとシティだが、課題は多い【写真:Getty Images】

 3日のトッテナム戦(1-0)で事実上4位以内を確保したマンチェスター・シティでは、ペジェグリーニ監督が逆に攻撃への拘りを弱めなければならない。続投は今季2位が前提とされるが、そもそも立場が微妙になった原因は守備の不徹底にある。当人は「我々は今季もリーグ最高の得点を奪っている」と強調するが、トップ4最多レベルの失点が仇となって優勝争いから脱落したのでは意味がない。

 2年連続のバルセロナ戦CL敗退は、指揮官が対戦相手に応じて2トップよりも中盤以降のスペースに意識を避ければ、少なくとも力負けの色を薄めることは可能だったはずだ。先のトッテナム戦でもセットプレーの度に失点の危機を招いたマークの甘さは、練習で守備ドリルにも時間が割かれれば改善できる。

 2位を争うアーセナルでは、同じく攻撃志向のベンゲル監督が敢えてポゼッションを捨てる姿勢を見せ始めてはいる。シティから零封勝利(2-0)を奪った1月のアウェイゲームがその好例だ。但し、CLでモナコに敗れた(1-3)ホームゲームが物語るように、確実に勝つための持ち駒が不足している。

 チェルシーとの前節(0-0)で解説を務めたアンリは「新戦力4名」の必要性を指摘。元エースの苦言通り、“背骨”の入れ替えがチームには必要だろう。GKはシュチェスニーでもオスピナでも守護神と呼ぶには心許ない。CBかボランチには、精神的支柱となれる猛者が必要だ。ジルー頼みの1トップは、チェルシー戦2試合で零封されたように国内でも限界が見える。

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