「会いに行けるアイドル」としてJリーグが秘める可能性。地元のヒーローとファンの関係がもたらす未来

地域密着を理念とするJリーグ。しかし、ここ数年は観客動員数も伸び悩み、リーグとしての成長が見込めない状況にまで陥っている。その閉塞感を打破する鍵を握るのは「会いに行けるアイドル」として地元のファンに愛される存在となることだ。

2015年05月22日(Fri)15時00分配信

シリーズ:J.CHAN
text by 舩木渉 photo Getty Images
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Jリーグの魅力とは何か

「会いに行けるアイドル」としてJリーグが秘める可能性。地元のヒーローとファンの関係がもたらす未来
ジュビロ磐田のジェイはスタッフに引きはがされるまで、すべてのファンの要求に応えてサインや写真撮影に応じていた【写真:Getty Images】

 ある日のスタジアムで、ふと考えていたことがある。

「Jリーグの魅力って何だろう」

 取材したり観戦したり、普段「そこにJリーグがあるから」という感覚でスタジアムに足を運んでいるため、そもそも具体的な魅力についてあまり考えることがなかった。

 そこで考えをめぐらせていると、ある言葉に行きついた。Jリーグとは「会いに行けるアイドル」なのではないか。

 プロという性質上、クラブや選手とファンは切っても切れない関係にある。ファンだけが存在することはないし、クラブや選手がいてもファンがいなくてはプロとしてお金を受け取るのは不可能になる。

 ヴィッセル神戸の森岡亮太はファンの存在について「勝ちも負けも一緒に受け止めてくれる。どうしても選手だけでやっていると物足りない部分もあるが、たくさん来てくれると力になる」と、その存在の重要性を説く。

 アイドルはファンに活力を与え、逆にファンの声援を自らの力に換える。この相互作用なくして繁栄することはないと言えよう。

 Jリーグはファンビジネスだ。ファンがいなければ存在することはできず、市場規模を拡大するにはファンを増やすことが最も重要になる。

 一昨年から昨年にかけて、セレッソ大阪を応援する女子、通称「セレ女」がブームを巻き起こした。J2降格こそ味わったものの、間違いなく「会いに行けるアイドル」を象徴する成功例で、試合会場に行っても練習場へ行っても、あこがれの選手が目の前にいて、その存在を身近に感じられるのだ。

 一般的なファンの心理として、自分にとってより身近なものや人には感情移入しやすい。ある試合の後、ジュビロ磐田のジェイはスタッフに引きはがされるまで、すべてのファンの要求に応えてサインや写真撮影に応じていた。あの場面でジェイと交流したファンは、彼を大好きになるだろう。

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