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香川真司 9年前

現実を突き付けられたドルトムント。退任の指揮官、引退の元主将。そしてチームは“新たな人生”へ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

強さが際立ったヴォルフスブルク

 しかし21分のことだった。直接FK。ナウドが蹴ったボールをランゲラクが弾く。こぼれたボールをグスタボが左足で流し込んだ。1-1。

 ギュンドアンは「残念ながら僕達は2-0にするチャンスを逃した」と振り返っている。18分にロイスは右サイドの香川からのボールをバーの上に外すなど、ドルトムントは優勢の中でも追加点を奪い切れなかった。

 一方で、カリジュリにはドゥルムがマークに付いて、ペリシッチにはロイスが戻ってギュンドアンとともに対応するなど、ドルトムントはしっかりと守備をする。4-4-2で構えて、ダブルボランチのグスタボとアーノルドはオーバメヤンと香川がケアした。

 しかし33分、カリジュリの落としを、デ・ブルイネがエリア外から豪快に打ち抜いた。1-2。そして38分、右サイドのペリシッチに叩いたドストが、そのままファーサイドに走り込む。スボティッチを外して、ペリシッチからのクロスをヘッドで押し込んだ。1-3。ドルトムントは続けざまに2失点してしまう。

 後半に入ると、クーバが「上手く引いて構えた」と言うように、引いて固めるヴォルフスブルクに対してドルトムントは悪戦苦闘する。49分、左サイドのロイスの折り返しを香川のシュートは右のポストをかすめていく。55分、ロイスは苦し紛れにミドルシュートを放って、またバーの上に外れる。

 そうこうしていると、64分にヴォルフスブルクがアーノルドを起点とする得意のカウンターを仕掛けてくる。ボールは素早く右サイドのドストに渡り、中央ではデ・ブルイネがフリーランでスペースを作る。左サイドを上がったカリジュリが、ドストからパスを受けてシュートを放つ。ランゲラクが弾いて、何とか凌ぐ。

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