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日本代表 9年前

屈辱の降格から1年、自信と手応えを得た長谷部と清武。高まる得点への思いを胸にW杯予選へ

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ベテランとしての危機感を語る長谷部

 長谷部の方は「ずっと試合に出ていて、守備の部分で高いレベルの中でも継続して戦えるフィーリングを持てたのはよかった。でも守備に重点を置きすぎた。攻撃の部分をもっともっとやっていかないといけない」と冷静に課題を口にすることも忘れなかった。

 とはいえ、2人が苦い経験を糧にこの1年間で大きく飛躍したのは間違いない事実。それは代表にとっても前向きな材料だ。彼らとしては、クラブで得た自信と手ごたえを今回の6月2連戦にも生かしたいところ。だが、チーム内の生存競争はこれまで以上に激化している。

 長谷部のボランチに関しては山口蛍(C大阪)、谷口彰吾(川崎)ら若手との競争になるが、遠藤保仁、今野泰幸(ともにG大阪)が立て続けに落選を強いられるなど、30代のベテランはいつ切られてもおかしくない。キャプテンの中でも危機感は非常に強いようだ。

「今回の代表合宿でダメだったら次はないかなというくらいの緊張感を監督はつねに持たせてくれる。前回大枠であれだけの合宿をして『僕たちは友人だ』『ファミリーだ』っていうメッセージを送ってくれましたけど、今回は23人で、前回選ばれた中から結構ふるい落とされてますし、シビアなところは間違いなくシビアですよね。

 年齢的にもフィールドプレーヤーでは一番上ですし、若い選手もドンドン入ってきてますから、そういう意味でもやっぱり常に先頭にいて、ピッチ上のプレーで示さないと残っていけないかなって感覚はあります」と長谷部は自分を強く鼓舞していた。

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