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“トゥヘル流ゲーゲンプレッシング”に求められる5つの要素。ドルトムントの「新たな挑戦」が始まる

ドルトムントにとって2014-15シーズン、そしてユルゲン・クロップ監督の下での最終戦が終わった。それは、トーマス・トゥヘル監督による新チームのスタートでもある。新たな指揮官が就任会見で述べたチームに求める要素とは。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「グループとしての一体感を作り上げる」

“トゥヘル流ゲーゲンプレッシング”に求められる5つの要素。ドルトムントの「新たな挑戦」が始まる
ハンス・ヨアヒム・ヴァツケ社長は「今日から我々は再び戦闘モードだ」と熱を込めた【写真:Getty Images】

 新指揮官が入ってくると、無数のフラッシュが焚かれた。2015年6月3日に行われたトーマス・トゥヘルの就任記者会見で、ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴァツケ社長は「今日から我々は再び戦闘モードだ」と熱を込めた。

 5月30日のポカール決勝で敗れた時点で、14-15シーズンは終わった。そしてトゥヘルを迎えて、新たなシーズンに向かってドルトムントの巻き返しが始まるのである。

 ミヒャエル・ツォルクSDがドルトムントを「さらに発展させる」と述べたように、あくまでクロップの延長線上にトゥヘルがある。今季は残留争いを演じて7位に終わったが、スタイルが抜本的に変わることはない。

 6月3日付のシュポルトビルト誌によれば、会見の翌日にトゥヘルはクロップと落ち合い、情報交換をするのだという。トゥヘルの理論にクロップの経験が加わって、新たなBVBは作られていくのだろう。

 チームに要求するものとして、トゥヘルは「勤勉」、「謙虚」、「勇気」、「誠実」、「粘り強さ」、そして「エゴイズムのない成果への意欲によって実現する雰囲気」を挙げている。

 その意味では、5月24日にレバークーゼンより獲得が発表されたゴンサロ・カストロは、トゥヘル体制を象徴する存在と言えそうだ。フィジカルに長け、ハードワークを惜しまないプレー・スタイルは、まさにトゥヘルの求める5つの要素を満たしている。トゥヘルは「グループとしての一体感を作り上げる」ことを目的としている。

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