経験値で優るユベントス

　ユベントスにとってのキーは、個人としてだけではなく、FWのテベスやモラタを含むチーム全員が熟練の攻撃と守備をすることにある。正直なところ、世界最高の攻撃陣をもっていたとしても素早い切り替えが必要なバルセロナに同じことができるとは思えない。彼らの守備はユベントスに劣っており、今季ピッチで守備力が証明された試合はほとんどない。

　特にバルセロナの4-3-3の中でネイマール、イニエスタ、そしてジョルディ・アルバで形成される左サイドは素早い攻撃の際に隙だらけとなる。ユベントスは得点の機会を探るためにこのゾーンを突いてくるだろう。

　イタリア人の人気ブロガーであるプロフ・カントールの言葉を要約すると、「ユーベは攻守でとてもうまくプレーできる。守備は堅く、相手に得点を決めることを難しくさせる。同時に相手がうまく守れなければ、ユーベは得点してしまう」。

理由2：ユベントスには各ポジションに経験値の高い選手が揃っている。

　バルセロナは世界最高のストライカーおよびイニエスタ、シャビ、ダニ・アウベス、マスチェラーノなどといった経験豊富な選手が所属しているが、重要な2つのポジションで経験を欠いている。

　1つ目はGK。テア・シュテーゲンは欧州の中でも将来有望な選手の一人だが、ベルリンのオリンピック・スタジアムでワールドカップ決勝を制した安定感抜群のブッフォンには敵わない。

　そして2つ目は、ユベントスは控え選手の層で相手を優っていること。もちろん、これには賛否両論あると思うが、バルセロナは基本的に監督を必要としないくらい良いチームだ。ルイス・エンリケは経験の浅い監督ではあるものの、試合の元凶にはならない。

　しかし、ユーベはアッレグリの手腕によって大きく好転することがある。イタリア人監督の戦術的な知性は、ドルトムント、モナコ、そしてマドリーに対する完璧なパフォーマンスを生み、ユベントスを決勝へ導いた。

　トスカーナ出身の指揮官は、相手の弱点を常に賢く利用するフットボールを展開するための準備を怠らなかった。強いと評判のバルセロナでもいくつか弱点は抱えている。