今季のユベントスが持ち合わせる“運”
理由5:アッレグリ・ユベントスは運がある
ロースコアゲームでは細部が違いを生む。ボールのリバウンドやディフレクション、ラインズマンによる誤審など、ディテールが試合を決することは珍しくない。技術、決定力、集中力の全てが重要な要素となるが、もうひとつ欠かせないのが誰にもコントロールできない運の存在だ。
今季のアッレグリ・ユベントスは、重要な局面で戦術が冴えただけではなく運を持っていた。ホームでのオリンピアコス戦、残り30分のところで1点を追いかけていたときには、ひどく不運なシーズンなように思われた。
しかし、ジョレンテのポストを叩いたヘディングが相手GKの足に当たってゴールに吸い込まれて全てが変わった。そして、3分後にはポグバの逆転ゴールに繋がったボールのはね返りがあった。
その勝利によってグループステージを這い上がったユベントスは理想的な相手だったドルトムントとの対戦が決まる。日本の大手マスコミは香川がヒーローになることを願ったが、最終的に1分たりともプレーすることなく期待通りとはならなかった。
アッレグリにとってブンデスリーガで下位に沈む不安定なドイツチームとの対戦は幸運な組み合わせだった。実際、ユーベはドルトムントを2戦合計スコア5-1で楽々とねじ伏せた。
シーズンの目標としていた欧州ベスト8の組み合わせでも、最も実力で劣るモナコとの対戦カードを引き、信じられないくらい運が味方した。しかし、フランスのチームは偶然で準々決勝に進出したわけではなく、タフな相手であることを証明してみせた。
ユーベは1stレグでモラタが得たPKをビダルが決めたおかげで擦り抜け、アッレグリの幸運の星はさらに輝きを増した。
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