セットプレーで弱さを見せるバルサには周囲からの重圧も
理由3:セットプレー
ユベントスが仮にCKや30メートル以内のFKを獲得できれば、得点を奪う可能性は高まる。ビアンコネーリは今季、素早いスタートのCKから空中戦に長ける身長の高い選手たちがいくつか得点を挙げている。
バルセロナはCKで伝統的にゾーンディフェンスを採用してきたが、ルイス・エンリケになってからはマンツーマンに変更している。しかしながら結果は向上しておらず、カタルーニャのチームは未だに脆さを見せる。ミュンヘンでの準決勝で許したベナティアのゴールを見れば、バルセロナがクロスの対処に苦戦していることは明らかだ。集中力の欠如とボールウォッチは数センチのズレでさらに悪化する。実際、バルサは先発メンバーの中に180cm以上の選手は4人しかおらず、マークが得意なのはピケだけだ。
FKがユベントスの武器になる理由はいたってシンプルだ。アンドレア・ピルロがいる。
理由4:バルセロナが優勝候補
ユベントスはこれまで7度のCL決勝を戦ってきた。そのうち2度の優勝を振り返ってみると、1985年のヘイゼルの悲劇で知られるリバプール戦と1996年のアヤックス戦で、両方とも優勝候補と見られた欧州最強チームが相手だった。
だが一方では、1983年のハンブルガーSV、1997年のドルトムント、そして2003年のミランとの試合ではユーベが優勝候補だったものの無惨に敗れている。
これらのデータに加え、1994年にアテネで負傷者を多く抱えるミランと対峙した“ドリームチーム”のバルセロナも優勝候補だったが、結果はカペッロのチームがクライフのチームを4-0で粉砕した。
ユーベは挑戦者としてバルセロナよりも軽度のプレッシャーでこの決勝を迎える。アッレグリのチームに求められることは、4勝2分0敗で乗り切った決勝トーナメントのような良いプレーを見せることだけだ。
仮にユベントスが敗れたとしても、今までで最高のシーズンを送った彼らが失うものは何もない。しかし、バルセロナが負けることがあれば、昨年のCLを優勝した最大のライバルであるレアル・マドリーよりも弱いチームだと叩かれ、失敗のシーズンと置き換えられることを意味する。
言い換えると、この試合に勝たなければならないというプレッシャーはバルセロナにかかってくる。