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日本代表 9年前

なでしこのキープレーヤー大儀見優季が語る、中学時代に2度の怪我を乗り越えて得たもの

text by 大儀見優季 photo by Getty Images

恐怖心との戦い

 しかし、夏になっても、ボールを蹴ったりすることはできていたものの、どこかまだ自分でも違和感やボールを蹴ったりターンをしたりすることへの恐怖心があったし、全力でプレーできる感じはしなかった。

 そうした不安を取り払いたい思いが強まり、コーチやトレーナーのアドバイスも受け、手術をする決断をした。手術は成功し、リハビリを経て復帰できたのは、怪我をしてからおよそ1年後、中学2年の3月のことだった。

 ピッチに戻れたときは、本当に嬉しかった。当たり前に練習ができること、当たり前にみんなとサッカーできることは、幸せなことなんだと痛感した。怪我をしたことで、大切なことを、身をもって知ることができた。

 しかし、喜びもつかの間。その10ヶ月後、中学3年の1月。私はメニーナ所属でありながら、自分たちの年代の上のカテゴリーでもあるベレーザでトレーングをさせてもらっていた。メニーナで出場したU‐18(18歳以下)の全国大会では優勝して、大会MVPにも選ばれていた。当時、日本女子代表監督だった上田栄治さんがちょうど試合を観に来ていて、代表メンバーとしてもチェックしてもらっていた頃だった。

 春には、そのままトップチームのベレーザに正式に登録してもらうことも決まっていて、サッカー選手として、まさに「これから」というときのこと。大事な時期に、またやってしまったのだ。前回同様、後ろにターンしたときの怪我だった。いつものように練習をしているときの怪我だった。

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