ブログに綴られた岩清水の思い。ブームを文化へ、再び頂点へ、全てのエールを力に変えて前進する

連覇を目指したW杯だったが、決勝で米国に敗れたなでしこジャパン。前半立て続けの失点後に交代を指示された岩清水梓は、帰国後の会見でも憔悴しきった表情を浮かべていた。しかし、オフィシャルブログには多くのエールが寄せられ、岩清水は再び前へ進む意欲を燃やした。

2015年07月18日(Sat)12時12分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images , Editorial Staff
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ブログの末尾に付けられる「AZU」と「東北魂」

ブログに綴られた岩清水の思い。ブームを文化へ、再び頂点へ、全てのエールを力に変えて前進する
なでしこジャパンの岩清水梓【写真:Getty Images】

 それまでは「AZU」で締めてきたオフィシャルブログ『Supernova』の末尾に、岩清水が「東北魂」を書き加えるようになったのは4年前。PK戦の末にアメリカ女子代表を下し、世界一を獲得した女子W杯決勝の数時間前にブログを更新したときだった。

 なでしこジャパンが勝ち進むにつれて、岩清水のブログに寄せられるファンからのコメントも飛躍的に増えていった。そのなかには、被災地である東北のファンからのそれも数多く含まれていた。

 勇気をもらった。感動をありがとう――。ひとつひとつを読み返していくうちに、東日本大震災の発生以来、心の中で繰り返されてきた自問自答に終止符が打たれたのだろう。

 一人のサッカー選手として何ができるのか。2011年7月17日付けのブログに、被災地である岩手県滝沢村の出身である岩清水がこれからのサッカー人生のテーマに据えた決意が記されている。

  いろんな人に関わっていただいて、今の自分がいます。
  いい結果で恩返ししたいです。
  そしていいお知らせを東北へ送りたいです。
  がんばります!

 それから約1年後。ロンドン五輪で銀メダルを獲得した後に、末尾の「三文字」に込めた思いをあらためて聞いたことがある。

「やっぱり復興って、短期じゃできないと思うんですよね。長期にわたって私にできることと言ったら、いい情報を、皆さんが喜ぶ結果というのを届けることしかできない。そのことを忘れないためにも、自分で自分にある意味、言い聞かせているんです」

 いまも「AZU」と「東北魂」が添えられる岩清水のブログに、異変が起こったのは7月6日。アメリカとの再戦となった女子W杯決勝で2対5の惨敗を喫し、連覇の夢を断たれた直後からだった。

 その時点で最後の投稿となっていた「最後の練習。」と題されたブログに、実に1000件を超えるコメントが届いていた。その前の投稿に対するコメント数の約200倍に達したその文面のほとんどが、岩清水への激励と労をねぎらう言葉で満ちあふれていた。

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