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Jリーグ 9年前

東京Vの快進撃を支える高木大輔。ストライカーとして覚醒した三男の飽くなき向上心

text by 藤江直人 photo by Getty Images

自信を見せる杉本竜士との『あうんの呼吸』

 横浜FC戦の後半3分には杉本とのあうんの呼吸で相手に背を向かせ、ペナルティーエリア内で大輔がボールを奪取。シュート体勢に入りかけた直後に、背後から倒されるシーンもあった。

 果たして、主審の判定はノーファウル。3点目を逃した大輔は「僕がハットトリックを達成するにはまだまだ早いということ」と笑い飛ばしながら、2歳上の先輩への感謝の思いを忘れなかった。

「どちらかがプレスに行ったら、ついて行こうという感じでやっています。どちらかと言えばすべて竜士君が先に行ってくれている。自分はついて行っているだけなので、本当に頼もしいと思っています。自分のゴールにもほとんど竜士君が絡んでくれているので、感謝してもしきれません」

 高温多湿の夏場でも運動量がまったく落ちない小兵2トップが「一の矢」となり、22歳の南秀仁と20歳の澤井直人の2列目が「二の矢」として続く。東京ヴェルディユース出身の4人がピッチの上で暴れ回り、33歳の中後雅喜、同じくユース出身の20歳の三竿健斗で組むボランチが仕留める。

 高い位置から積極果敢に仕掛ける組織的な守備が生み出す好循環。後半戦に入って理想的な組み合わせを見出した冨樫剛一監督も、はつらつとプレーする大輔に目を細める。
「彼のよさはペナルティーエリア周辺でのゴールへの臭覚であり、ゴールへ向けてのパワーだと思います。彼にはいろいろなタスクを与えていますが、いまの大輔と杉本はプレーの矢印が常に相手のゴール方向へ向いている。ディフェンダー出身の自分から見ても、嫌な2トップだと感じています」

 前半戦の大輔は、なかなか試合に絡めなかった。リザーブのまま終えたのが10度。ベンチ外も3度を数えた。迎えた5月31日。大輔にターニングポイントが訪れる。

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