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想定内だった我慢の戦い。岡崎とレスターが示した忍耐力と勝負強さ、そして明るい未来の可能性

text by 舩木渉 photo by Getty Images

新加入インラーは昨季のカンビアッソになれるか

 話をレスターに戻そう。前半はシュート0本に終わったものの、耐える展開でも下手に崩れない粘り強さと組織力を証明した。シーズン開幕前に「守備陣は明らかに力不足」と評価されていたのが嘘のようだ。

 しかし、このままでは前線の岡崎やジェイミー・ヴァーディーが活きない。2人とも抜群の走力を備え、守備にもカウンターの起点にもなれるスタイルの持ち主だが、押し込まれた状況を個で打開する力はない。

 後半に入っても守備に回る時間の多い中、岡崎は巧みなボールキープからファウルをもらうなど貢献したが、試合の流れを変えるには至らなかった。そんな中でも、可能性を感じさせたのは新加入のギョクハン・インラーだった。

 途中出場した直後、デレ・アリに先制点を許したが、チームに加入したばかりのベテランは昨季のエステバン・カンビアッソを彷彿とさせるプレーでピッチ上に落ち着きをもたらした。その1分後、レスターは絶好調リヤド・マハレズの3試合連続となる今季4点目で同点に追いつく。

 昨季のカンビアッソが果たした役割は大きかった。中盤の底にどっしりと構え、対峙する相手から次々にボールを奪い去っていく。仮にインラーがチームにフィットすれば同じような役割を求められるはずで、彼が中盤のかじ取りをすることで他の選手が前に出ていきやすくなる。

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