引退を発表したラウル・タムード。“ワールドクラス”でなくとも“地域密着”で地元に愛された名選手

エスパニョールをキャプテンとしてけん引し、現在は2部のサバデルFCに所属しているFWラウル・タムードが現役引退を発表した。決してワールドクラスといえる選手ではないが、地元のクラブで育ちキャプテンまで務め上げた名手にクラブもサポーターも大きな愛情を捧げている。

2015年09月12日(Sat)9時31分配信

text by 山本美智子 photo Getty Images
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田邉草民に西澤明訓。日本人選手とも深い縁

引退を発表したラウル・タムード。“ワールドクラス”でなくとも“地域密着”で地元に愛された名選手
ラウル・タムード【写真:Getty Images】

 先週、ラウル・タムードが引退を発表した。37才であり、元エスパニョールのキャプテンとして長い間務めた後、アラベス、レリダ、レアル・ソシエダ、ラヨ・バジェカーノ、パチューカ(メキシコ)でプレー。ここ2年はバルセロナ郊外にあり、現在日本人実業家がオーナーを務めているサバデルFC(2部)に所属しており、今年の夏FC東京に復帰した田邉草民などと共にプレーしていた。

 タムードは、2000年シドニーオリンピックで、スペインに銀メダルをもたらした五輪代表の一人だった。当時、エスパニョールにいて、日本からやってきた西澤明訓とロッカールームを分かち合うなど、比較的、日本人選手との縁の深い選手でもあった。

 もちろん、ロナウドやメッシやネイマールといったワールドクラスの選手ではないし、現在のサッカーを支えている若いサポーターには、なじみのない名前かもしれないが、タムードを目の端で追いながら、私は常にこういった選手がスペインリーグの層を厚くしていると思っていた。

 海外メディアの取材対象として喜ばれる選手ではないが、地元密着型でエスパニョールBから育ち、その後クラブに頼まれれば身を切られるような思いで涙を流しながらグラスゴーへの移籍を決意(結局、メディカルチェックにひっかかり、移籍は叶わず)するほどにクラブへの忠誠心が強く、クラブ史最多得点者となってエスパニョールを去って行ったそんなタムードへ、地元クラブは未だに大きな愛情を捧げている。

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