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アウェイ2連敗のバルサ、埋められないメッシの穴。エース不在が及ぼした影響とは?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

大きく下がった1対1の回数

 まず、結果は2-1でセビージャの勝利。支配率は36.9%(セビージャ):63.1%(バルサ)、パス成功本数208本:421本、アタッキングサードでのパス本数106本:174本、チャンスメイク数11回:20回、シュート本数12本:28本。

 ここまでは、内容的にはいつも通りのバルサ。得点数だけが付いてこなかったと見えなくもない。パス本数は700本を超えることも少なくはないが、セビージャの倍以上を記録していれば文句はないはず。

 ところが、このほかにいつもと大きく違うデータがある。1対1の回数が12回:13回。これがこの試合を苦しめた大きな要因となった。

 当然のことながら、バルサのスタイルにおける第一項目はペップ・グアルディオラ監督が作り上げた“ティキ・タカ”と呼ばれるパスワーク。グアルディオラ時代と比べれば、現在はその影響も弱まってはいるものの、パスによる支配力は他のチームを凌駕している。

 さらに、パスワークに加えてバルサの大きな武器となっているのが、メッシとネイマールによるサイドでの突破力だ。この2人が横に縦にドリブルで切り込むことによって、相手DFを崩すことが容易となる。圧倒的な支配力を持つパスワークはサイドの驚異的な突破力によって、より効果を増すもの。

 ここまでのリーグ戦6試合でバルサが仕掛けた1対1の回数は、第1節ビルバオ戦22回、第2節マラガ戦39回、第3節アトレティコ戦28回、第4節レバンテ戦24回、第5節セルタ戦26回、第6節ラス・パルマス戦27回。今回第7節セビージャ戦よりも平均10回以上も上回っている。

 そして、メッシが仕掛けた1対1は第1節ビルバオ戦10回、第2節マラガ戦11回、第3節アトレティコ戦10回、第4節レバンテ戦10回、第5節セルタ戦7回、第6節ラス・パルマス戦1回だった。

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