丹羽大輝【写真:Getty Images】
8日、ロシアW杯アジア二次予選グループリーグ首位をかけたシリアとの一戦に勝利した日本代表。この試合、プレー時間ゼロ分ながら勝利に大きく貢献した選手がいた。DFの丹羽大輝だ。
試合中、ピッチサイドで香川真司を捕まえると、必死の助言。その内容を9日の練習後に本人が語った。
「(シリアの)2番のところを試合の時に言っていた。2番とサイドバックのところにギャップがあって、そこを突くと狙い目だし、足もちょっと止まっているから、センターバックの2番を狙って行ってはどうか、と言った。それでサイドを崩せて(香川)真司がアシストしてゴールできたと思う」
70分、岡崎慎司がゴールを決めた、その場面のことだ。監督のような的確な分析と言える。本人は「僕が言ったからどうこうではないですけど、頭の片隅にあったのかなとは思う」と謙遜するが、チームに好影響を与えたのは明らかだ。
サッカーはピッチにいる選手だけでプレーするわけではない。練習中も含めて23人全員で戦わなくては結果はついてこない。当然、丹羽はそこを心得ている。
「自分がピッチの外で見て感じる部分と中にいる選手とのギャップは絶対あると思うので、外で客観的に見て、今どうしないといけないのかを選手に話すようにしていた。どういう状況かをしっかり見ながら一言声をかけるのもベンチ要員としてはすごく大事。そこは意識してやっていました」
口で言うほど簡単なことではない。的確なアドバイスでなければ、逆にチームに悪影響を与えることもある。まるで監督さながらの指示を出した丹羽大輝。勝利の立役者と言っていい活躍だった。
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