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パリ同時多発テロの犠牲者は120人超。フランス連盟会長も遺憾の意

text by 編集部 photo by Getty Images

パリ同時多発テロの犠牲者は120人超。フランス連盟会長も遺憾の意
安全確保のためスタッド・ドゥ・フランスのピッチに集められた観客たち【写真:Getty Images】

 現地時間13日夜にフランスの首都パリで発生した同時多発テロの犠牲者は最低でも120人にのぼることが分かった。英『BBC』などが報じている。

 同時間帯にスタッド・ドゥ・フランスで行われていたフランス対ドイツの親善試合は中止となり、観客が一時ピッチ上へ避難するなど異例の事態に発展。ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督も「我々は皆ショックを受けている。今日のような日は試合やゴールどころではない。ベンチにいた我々は少しばかり恐怖を感じていた」と衝撃の大きさを語っている。

 スタジアム周辺でも爆弾テロがあり、犠牲者が出ている。一方で仏TV局『iTele』によれば、運よく生還した者もいた。

 生存者の1人はカメラの前で自分の携帯電話が爆弾の破片から頭を守り、着ていた革製の上着が爆発の衝撃を和らげてくれたために命が助かったと証言した。手に握られたスマートフォンには飛んできた爆弾の破片によってできたと思われる大きな穴が開いていた。

 一連のテロ事件を受け、フランソワ・オランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言した。またアメリカのバラク・オバマ大統領も記者会見を開いて「罪のない一般市民を恐怖に陥れるためのあってはならない出来事」と犯人たちを痛烈に非難し、「すべての人類にと普遍的価値に対する攻撃」と危機感を示した。

 サッカー界からも声があがっている。フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ会長は「FFFは国家を揺るがす感情を共有する」と、テロ事件に対して遺憾の意を表明した。

 フランス国外からも多くのクラブや選手、関係者がSNSを通じて連帯を示しており、痛ましいテロに心を痛めている。なおフランス代表戦が行われていたスタジアム付近で起きた爆発での死者は3人と見られている。目撃者によれば自爆テロだったようだ。

 ほぼ同時刻に他の場所で発生した劇場立てこもりでは犯人グループがアラビア語で「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んで銃を乱射したという情報もあるが、犯行声明などは出ていない。

 仏『レキップ』紙は、17日に予定されているフランス対イングランドの親善試合も中止になると報じた。今のところ国内リーグ戦への影響は不明だが、世界に衝撃を与えた今回のテロの余波はしばらく続きそうだ。

【了】

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