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全サッカー選手が夢を実現するために。異端の男・丸山龍也が語る自己実現への推進力

text by Keiske Horie photo by Sota Oki

プロへのこだわり。その先に見つけた次の夢

「僕は上手くない。でも、絶対にプロになりたいと思っていました。高校3年生でベトナム1部リーグのトライアウトを受けました。上手くいきませんでしたが、それでも『ベトナムの1部ならレベルはこれくらいか。これならプロになれる』という考えを持つことが出来ました。Jリーグやブラジルサッカーを見てきて、物凄い大変な世界だと思っていましたが、こういうプロサッカーの世界もあるんだなと。

 日本で全然ダメなのにナイジェリアリーグでプロになった人や、大学サッカープレイヤーなのにウルグアイ2部に行った人。素人同然なのにボリビアでプロになってしまった人など様々な先輩がいました。

 プロへのハードルは大きく下がりました。世界を視野に入れた時、プロ自体にはなれる。Jリーグは非常に厳しい世界です。Jはユースから1人上がれるかどうか。僕はユースにも入れない選手でした。それでも、『世界でならやれるぞ』と思っていました。結果、ベトナムに行って、タイに行って、スリランカでプロになれました」

――プロになるという1つの夢を叶えたわけですが、次の目標や夢は何になるのでしょう?

「22歳でスリランカという地だけれどプロになりました。日本円では大したお給料をもらっていませんが、現地ではそこそこの生活ができます。ただ、『これを10年やるのか?』と考えた時に、『プロになるだけなら大したことない』と思うようになりました。

 これはテレビでたまたま知ったのですが、日本人でNBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)に挑戦している選手が大勢いるんですね。バスケットボールはサッカー以上に日本人選手が活躍することが難しい世界です。180cmの日本人では200cmの黒人選手と競うことは本当に難しい。

 そんな一方で、自分はアジアでプロサッカー選手をしている。いつかはJリーガーになりたい、日本代表になりたいと考えている。『なんて情けないんだ!』と思ったんです。

 NBAに挑戦している日本人がいる。もっと頑張れるのではないか。じゃあ、僕も世界最高峰の大会であるCLを目標にしようと」

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