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全サッカー選手が夢を実現するために。異端の男・丸山龍也が語る自己実現への推進力

text by Keiske Horie photo by Sota Oki

情報発信する意義と丸山を目指してはいけない理由

――丸山さんはインターネットで大きな影響力を持っており、1つのムーブメントを作っています。プロサッカー選手を目指していた丸山さんが、あえてブログやSNSで情報発信を積極的にしている理由は何でしょうか?

「情報発信には3つ理由があります。1つ目はお金のためです。僕の周りのサッカー選手はバイトをしてお金を貯めることで海外にチャレンジし、上手く行かなければ日本に帰ってきます。しかし、たとえ上手くいったとしても1年間もプレーすると資金が尽きて、お金のために日本に帰ってきてしまうのです。

 同年代で既にトップリーグでプレーしている日本人選手は、十分なお金を貰いながら一日中サッカーを考えることができる環境にいます。一方で、自分はアルバイトをしながら空いた時間でサッカーをしている。これでは追いつくことはできないと思ったことが始まりでした。別のところでお金を産む仕組みを作って、サッカーに集中できる環境を作らないといけないと考えたんです。

 2つ目インプットのためです。僕は才能がある選手ではありませんから、自分の考えをさらけ出すことで色々な情報を入手できます。例えば今回のインタビューの直前にも、柏レイソルでプレー経験のある長谷川太郎選手に得点感覚について相談させて頂きました。僕のようなレベルの選手では普通はこういった機会を得られませんから、情報発信の重要性を実感しました。

 3つ目は自分自身に暗示をかけるためです。先ほども言いましたが、言葉にしないと夢は近づきません。あと、日記を書いていると精神が安定するというのもありますね」

――たしかにアウトプットすることで悶々とはしなくなります。プロになることを目指しているサッカー少年に対してご自身のキャリアをお勧めしたいですか?

「既にたくさん問い合わせがきています。しかし、『僕を目指してはいけない』と伝えています。目指すべきはリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウド。僕を目指してしまうと、“劣化版丸山龍也”になってしまいます。

 一方で、全日制高校だけが選択肢ではないとか、高校生のうちに海外に挑戦するとか、下手でも上を目指すとか、そういった意味で真似してくれるのは嬉しいです。とても有名な話ではミランの本田圭佑選手やインテルの長友佑都選手も挫折経験があります。

 七転び八起きの精神は真似してほしいです。人生とはそういうものです。みんな落ち込んだり、気にしすぎていると感じています」

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