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プレミア監督の『玉突き人事』は起きるのか?ペップからベニテスまで…白熱必至の“指揮官大移動”

text by 山中忍 photo by Getty Images

モウリーニョはユナイテッドへ? チェルシーはシメオネを狙う?

プレミア監督の『玉突き人事』は起きるのか?ペップからベニテスまで…白熱必至の“指揮官大移動”
ユナイテッド行きが噂されるモウリーニョ(左)とチェルシーが狙うシメオネ(右)【写真:Getty Images】

 現解説者のリオ・ファーディナンドら、クラブOBがグアルディオラ招聘を訴えているユナイテッドは、表現は悪いが「お下がり」で現役監督最高レベルを迎えることができる。経営陣さえその気になれば、計2度のチェルシー監督時代に3度のプレミア優勝を果たしているモウリーニョの雇用が即座に可能だ。当のモウリーニョもレアル・マドリーの復帰要請を断ってユナイテッドからの誘いを待っているとされる。

 現ファン・ハール体制の問題は、ウェイン・ルーニーのPKで辛うじて3部勢に勝った先のFAカップ戦(1-0)に象徴される「守高攻低」。解説のポール・スコールズは「ストライカーがいても意味がない」とまで嘆いている。

 それでも元来の堅守志向はファン・ハール以上のモウリーニョが現実的と言われるのは、大物ファン・ハールの苦戦で経営陣が痛感している「プレミアでの勝ち方」を知るが故。内容と結果のバランスに関してクラブとモウリーニョが互いに歩み寄れば、実力とカリスマ性ではグアルディオラにも負けない指揮官の下、チームは攻撃意欲と共に失っている自信を取り戻せるだろう。ファンの間では2012年のサー・アレックス・ファーガソン監督勇退時からモウリーニョを求める声がある。

 そのモウリーニョと再び袂をわかったチェルシーは、通算2度目のフース・ヒディンク暫定体制で今季を乗り切ることになった。攻めて勝つスタイルを望むロシア人オーナーは数年来のグアルディオラファン。今回も既に接触済みと言われるが、意中の人からは「新戦力10名」という就任条件が返ってきたとも言われる。

 その点、代替候補の筆頭と目されるディエゴ・シメオネであれば、昨季は攻守のバランスの良さでプレミアを制した主力の多くを生かせるのではないか? 指揮を執るアトレティコ・マドリーでの戦術は、ラインの高さやプレッシングの激しさは異なるがカウンターも効果的に使う基本姿勢はモウリーニョに通じるものがある。カリスマ性もモウリーニョばりだ。

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