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危険な2-1。試合を支配したPSGに対するチェルシーの処世術。“レアな1点”が意味するもの

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

2014年10月12日以来のゴールが貴重な1点に

ズラタン・イブラヒモビッチ
試合を動かしたのはズラタン・イブラヒモビッチ【写真:Getty Images】

 実際、試合はキックオフからPSGがペースを握る。前半の20分間でPSGは3どのチャンスを作り出し、4本のシュートを放ったが、チェルシーはともにゼロ。ボールをファイナルサードまで運ぶことすら困難な状況だった。

 ところが、前半も半分が経過しPSGの勢いの波が落ち着きチェルシーもボールを持てるようになった23分、チェルシーがこの試合初めて放ったシュートがあわやゴールというジエゴ・コスタのヘディングシュート。

 結局得点には至らなかったが、やはりチェルシーは「世渡り上手」。一瞬でも隙を見せれば命取りとなることをPSGは痛感しただろう。

 それでも、試合を動かしたのはイブラヒモビッチ。今季リーグ1で20試合21ゴール、公式戦では33試合28ゴールと凄まじい勢いで得点を量産している絶対的エースが強烈なFKを蹴り込むと、ボールは壁に当たってコースが変わりネットへと吸い込まれる。

 ここまで試合率58.5%:41.5%、チャンスメイク数6回:3回、シュート数8本:3本と攻め続けたPSGは、39分に待望の先制点を手にした。

 しかし、リードもつかの間。アディショナルタイムにジョン・オビ・ミケルがCKからゴールを決めてチェルシーが同点に追いつく。ミケルにとって、このゴールは今季公式戦で初ゴール。それどころか、ゴール自体が2014年10月12日以来というレアなものだった。

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