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危険な2-1。試合を支配したPSGに対するチェルシーの処世術。“レアな1点”が意味するもの

チャンピオンズリーグ(CL)ベスト16、1stレグ。パリ・サンジェルマン(PSG)は、ホームでチェルシーと対戦。試合はホームのPSGが2-1で勝利したが、3シーズン連続の激突となったこのカードではアウェイゴールが明暗分けるポイントとなっている。チェルシーが奪ったジョン・オビ・ミケルの1点が2ndレグに向けて大きな意味を持つだろう。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

グループステージのデータ通りとなった両者のスタイル

チェルシー
チェルシーはボールも人も動かない守備重視のタイプ【写真:Getty Images】

 CL決勝トーナメントにおいて3シーズン連続での激突となったこのカード。試合後との対戦成績は1勝1敗2分け、勝ち抜けの成績は1勝1敗。完全に五分の成績で、今回はある意味で決着をつける場ともいえる。

 プレビュー「CLラウンド16展望。“技術重視”のPSGとレアルは“世渡り上手”を打ち破れるか?【データアナリストの眼力】」で紹介した、グループステージ6試合での平均パス成功数(405本)と走行距離(108.990km)はPSGが653本で105.432km。チェルシーが399本で104.53kmだった。

 PSGはボールは動くが人は動かない技術重視のタイプであり、チェルシーはボールも人も動かない守備重視のタイプとなる。ではPSGのホーム、パルク・デ・プランスでの1stレグではどのようなデータが出たのだろうか。

 まずホームのPSGは、608本のパスを成功させ走行距離は102.82km、対するチェルシーは301本のパス成功数で走行距離は102.92km。両者ともグループステージの平均とほぼ変わらない数字となった。

 もちろん、このような数字となった要因にはホーム&アウェイの立場の違いもある。欧州の舞台でアウェイゲームを支配するというのは、そうそうできるものではない。

 スタンフォード・ブリッジでの2ndレグでは真逆の展開となる可能性も低くはなく、PSGはこの1stレグで勝負を決めてしまうくらいの勢いを持って試合に入っていたはず。

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