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“ヘマ”をしたバイエルンと卓越したBVB。頂上決戦へ、再び始まった「王座をめぐる争い」

一時は独走状態を築いたかに見られていたバイエルン・ミュンヘンだが、ブンデスリーガ第24節でマインツに不覚を取ったことにより。気付けば2位ボルシア・ドルトムントと勝ち点5差。そして、次節はその両雄が直接激突する。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ローテーションに選手の慢心も?

ジョゼップ・グアルディオラ監督
ジョゼップ・グアルディオラ監督【写真:Getty Images】

 不覚を取った。2016年3月3日付の『キッカー』誌は、一面の見出しを「バイエルンはヘマをする、卓越したBVB」「リーガの頂上を前にした新たな緊張状態」とした。

 2日に行われたブンデスリーガ第24節で、バイエルン・ミュンヘンがマインツに1-2で敗れたのだ。11連勝していた今季のホームで、初の黒星だった。

『キッカー』誌が「すでにドルトムントとの試合を見据えてペップ・グアルディオラはローテーションを行う」と記したように、まずは主将のラームとシャビ・アロンソがベンチ外となった。そしてミュラー、コスタ、キミッヒはベンチスタートである。2-0で勝利した前節のボルフスブルク戦の先発から、5人が入れ替わった。

 同日の他会場で、トゥヘルがダルムシュタットに対してそうしたように、ペップも積極的にローテーションを組んだ。5日の土曜日には、アウェイで2位のドルトムントとの試合が控えている。

 しかしダルムシュタット戦を2-0で終えて、ドルトムントがローテーションに成功したのとは対照的に、マインツを迎えた「バイエルンはヘマをする」。

 代表取締役社長のカール=ハインツ・ルンメニゲが「もしかしたら、すでに土曜日のことを考えていたり、今日が簡単な試合だと思っていた選手が何人かいたかもしれない」と感じたように、バイエルンには、どこか弛緩したところがあった。

 26分の失点は、例えば中盤でボールを奪われてのカウンターから、といったものではなかった。GKのカリウスから繋がれて、クレメンスを目掛けたロングボールから速攻を受けた格好だった。クレメンスがフリックしたボールを、右サイドを上がったドナーティがエリア内に入って折り返す。ファーに走り込んだハイロがゴールを決めたが、全くのフリーだった。

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