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広島市長、サンフレッチェの対応を厳しく批判「万感の思いを込めて残念」「根拠が出せないのが解せない」

text by 編集部 photo by Getty Images

広島
松井市長はサンフレッチェ広島を激しく批判した【写真:Getty Images】

 広島市の松井一實市長は29日、サンフレッチェ広島との間で協議を進めている新スタジアム建設における計画について自身の見解を述べた。

 建設地は、旧広島市民球場跡地と広島みなと公園が候補として挙がっているが、旧広島市民球場跡地を希望するクラブ側と広島県および広島市での意見が一致せず、着工は進んでいない。

 当初は広島県、広島市、広島商工会議所の3者が広島みなと公園の選定で優位としており、3月中に決定される予定だったが、サンフレッチェ広島側が旧広島市民球場跡地を希望したことで選定は先送りとなっていた。

 松井市長は、「(3月中に決定するという)その約束でした。万感の思いを込めて残念です」と今回の決定に対して不満を示した。

 また、松井市長は旧広島市民球場跡地に建設できない理由を説明するとともに、サンフレッチェ広島の対応について激しく批判した。

「もともと広島市議会の中では、旧広島市民球場跡地に平和を祈念するためのタワーを建てろという意見を持つ議員もおられる。文化的な施設を作っていろんなものを発信できる施設も欲しいといわれている人もいる。市の中で旧広島市民球場跡地の使い方について様々な動きがあるわけですから、そういった方々にサッカースタジアムを作るということになれば、なぜそうなるかの根拠が必要になる

 それを抜きに、ファンが言っているからここでというのを分かりましたと言った理由を出してもらって、議論できるようにしましょうと申し上げている。それが出来ていない。考え方を提示されるている根拠、あるいはそれに対しての具体的な裏付けがあるはずなんですよ。それが出せないということが解せない。それができないのにこちらがお示しするものはない」

 また、広島県の湯崎英彦県知事も「建設の是非についてもセットで考えている。最終的には3者(県、市、商工会議所)で決定できることではない」と述べ、今後の検討期限の目途については「今の段階では具体的にはない。そうはいっても結論を先延ばしにするのはよくない」と、早期解決を望む姿勢を示した。

(取材:フットボールチャンネル現地取材班)

【了】

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