エージェントの職業観。キャリア20年以上の稲川朝弘氏が思い描く、あるべき代理人像【職業:サッカー代理人】

2016年04月28日(Thu)11時00分配信

シリーズ:職業:サッカー代理人
text by 小澤一郎 photo Getty Images
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選手に対しても悪いものは悪いと言えることが重要

 ライセンス制度が廃止されたからといって、稲川氏のようなサッカーとマーケット、移籍の交渉からスキームに至るまでの全プロセスを把握しているエージェントの重要性は今もなお変わらない。稲川氏自身、プロサッカー選手であったわけではないが、選手のキャリアや成長に直に触れる職業サッカー代理人としてのあるべき姿についてこう言及する。

「少し抽象的な言い方になりますが、やはり選手に携わるからには選手と向き合える環境を作らなければいけないと思います。どういうことかというと、現状は『君は本当に素晴らしい』と褒めちぎっていくエージェントばかりの気がします。

 今エージェントをやっている人の大半はプロサッカー選手だったわけではなく、どこかで遠慮をしているのでしょうが、良いものは良い、悪いものは悪い、ときちんと言えることが大事だと思います。

 良いプレーができたからエージェントしてクラブとの年俸交渉を頑張るということが出てくるわけで、もちろん逆にこんなに活躍したのになぜこれだけしか(年俸が)上がらないのというのもありますが、常に選手と向き合い、選手の立ち位置を理解させることはすごく大切です。

 エージェントはエージェントで、もう少し話しの質を上げないといけないし、あぐらをかいているわけにはいかなくて、色々と勉強していかないといけない。何よりサッカーそのものを学ぶべきだと思います。基本はサッカーの話しでの結びつきだと思っています」

 そして最後に、「私はもうそういう時代のエージェントではないですが、やはり世界で戦えるエージェントがもっと増えて欲しい」と締めくくる。

「何となくまだアジア人で、何となく国内でしかやれない人ばかりだと思います。たとえば日本人選手がドイツに行くというと、大体トーマス・クロート(ドイツ人のエージェント)に頼っている、みたいな。外に出ることができるのであれば、世界に出てもっと学ぶべきだと思います」

(取材・文:小澤一郎)

【了】

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