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香川真司 8年前

ドルト快勝に隠された意味。香川も誓った主将へのサポート。容赦ない罵声もチームは一丸

text by 本田千尋 photo by Getty Images

1G1Aの香川。好調の要因はコンディションだけか?

 序盤から、香川は力強くプレーした。モチベーションの枯渇したヴォルフスブルクの守備が、機能不全だったところはある。プレスは連動しない。それでもここに来て、香川の切れ味は前半戦を超えたかもしれない。トップ下でシンプルにパスを捌きながら、果敢にゴールの前に走った。中盤の低い位置に顔を出すことは、ほとんどない。

 7分。シュメルツァーの左からのクロスを、ファーでムヒタリアンがダイレクトで折り返す。さらに香川がダイレクトで合わせてゴールを決めた。1-0。

 香川は「試合ではすごくコンディションが良かった」と振り返っている。25日、26日の2連休をしっかりと休み、その後の練習には集中して取り組んだ。そのことが、ヴォルフスブルク戦での好調に繋がったのだという。

 9分。ナウドの中途半端なクリアをカットした香川は、冷静にDFラインの裏にボールを送る。走り込んだラモスが右足で決めきった。2-0。

「落ち着いて、アドリに流すだけだったので、決めてくれて良かったです」

 試合が始まって10分で、香川は1G1Aと決定的な仕事をする。ナウドのミスに象徴されるようなヴォルフスブルクの状態の悪さに、香川自身のコンディションの良さが重なったところもあるだろう。しかしそれだけだろうか。マッツのために戦う、その気持ちが、最後の後押しとなったのは間違いない。

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