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プレミア優勝もメダルもらえず…控え選手に“証”を与えない「余計なルール」。出場数だけではない貢献度

text by 山中忍 photo by Getty Images

出場数だけではない優勝への貢献度

ヴァシレフスキ
メダルをもらえなかったマルチン・ヴァシレフスキ【写真:Getty Images】

 国内では、優勝メダルを持つ「ワースト選手」も話題に上る。例えば、一昨季にマンチェスター・シティで優勝を経験したジャック・ロドウェル(現サンダーランド)。同シーズンのリーグ戦先発は1度だけ。他は後半数分間の交替出場が4試合。優勝メダルの持ち主としての資格は、巷で「ぎりぎりの5試合出場」どころか「たったの計109分間」と言われて否定される。

 ただし、その是非を問うのであれば、規定による幸運な優勝メダルの持ち主よりも、規定によって不運にもメダルがもらえない選手に目を向けるべきだろう。前述したヴァシレフスキのように控えの一齣として評価されている面々。特に、通常は途中出場もない控えGKは気の毒だ。

 6年前、プレミアとFAカップで2冠王となったチェルシーの守護神だったペトル・チェフ(現アーセナル)は同僚の控えGKロス・ターンブル(現リーズ)を気遣って言っていた。

「控えGKはたった1度の出番でもピンチを救って3ポイント獲得に貢献できる。それなのに試合数だけで優勝メダルをもらう資格を決める規定は間違っている」

 試合に出られない状況で優勝メダルをもらっても当人が嬉しくないのではないかとも思ったが、ベンチに座る機会すら限られる第3GKで、実際にメダルをもらえなかったターンブルも、「優勝は控えを含むチーム全員の努力の成果なのに、ピッチ上での貢献度が僅かだとしても、集団の一員として認められていないようで淋しい」とコメントしていた。

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