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Jリーグ 8年前

【英国人の視点】Jリーグで結果残す日本人監督。プロリーグでプレーした第一世代の台頭

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

ペトロビッチ監督が風間監督に送った賛辞

ミハイロ・ペトロヴィッチ
浦和レッズのミハイロ・ペトロヴィッチ監督【写真:Getty Images】

 風間監督もまた広島の卒業生の一人だ。川崎でのチーム作りを徐々に進め、流れるような攻撃的なサッカーを構築してきた。今季こそは何らかのタイトルを獲得し、「あと一歩」のチームを脱することができる力があるように感じられる。

 風間監督がフロンターレに初のJ1タイトルをもたらす上で、最大の障害となりそうなのはペトロビッチのレッズだろう。だがそのセルビア人指揮官も、両チームが4月に等々力で対戦した際に相手監督を絶賛していた。

 「川崎の風間監督に賛辞を送りたいと思う」とペトロビッチ監督は、彼にしては珍しく長い記者会見の最後に述べていた。

「彼はここで素晴らしい仕事をしている。過去数年間で、本当に攻撃的で見応えのあるチームを作り上げてきた。Jリーグにもっとこういう監督が増えてほしいと思う。私はもう60歳だが、攻撃サッカーを志向する若い監督たちがもっと出てくれば素晴らしいことだろう」

「最終ラインに5人を並べ、場合によっては9人が自陣に引いて結果を出すようなやり方は称賛には値しないと思う。日本のサッカーへの関心を強めるためには、プレーのクオリティーを向上させなければならない。観戦する人々が楽しめるような試合をするべきだ」

 日本の新たな世代の指導者たちも、そのことを十分に理解しているようだ。現在上位を占める8チームのいずれも、消極的で守備的なサッカーをしていると非難されるようなチームではない。

 森保監督と長谷川監督は、そういう戦い方とタイトル獲得を両立できることを証明してきた。今季は風間監督や他の誰かがその後に続く可能性も否定することはできないだろう。

(取材・文:ショーン・キャロル)

【了】

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