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武藤はリハビリも成長の糧に「選手としての真価が問われるところ」

text by 編集部 photo by Getty Images

武藤嘉紀
武藤嘉紀【写真:Getty Images】

 日本代表のFW武藤嘉紀はシーズン後半戦を棒に振ってしまった負傷のリハビリに励んでいる。24日からは代表の事前合宿に帯同してトレーニングを積んだ。

 FC東京からドイツへ旅立って1年目の武藤は18試合に出場し7得点を挙げた。そして迎えた後半戦、さらに飛躍しようとしていた矢先の負傷で長期離脱を強いられる。一度は戦列復帰間近まで回復したが、トレーニング中に再び同箇所を痛めてシーズン終了となった。

 その当時を「自分の調子も上がってきて後半戦にいこうと思った時にケガをしてしまったので、そこは非常に残念だった」と振り返る。そのうえで「来季は1年間通してプレーして、ゴールやアシストという結果を残せるようにできればいい」と完全復活への道を思い描いた。

 復帰時期については「順調にリハビリしていて、来季のドイツの頭からできるように仕上げていきたい」と述べている。焦ればまた同じことを繰り返してしまう。だからこそじっくりと慎重に治療を進めねばならない。苦しい時間だが、武藤はそれすらも成長の糧にしようとしている。

「サッカー選手である以上、これをどうやって力に変えていくかっていうのが選手としての真価が問われるところなので、この逆境を跳ね返して、さらに選手として成長できるようにやっていきたい」

 それもそのはず。武藤が不在の間に新たなFWが日本代表入りを果たしてきた。スピードが持ち味という意味でも役割が被りそうな浅野拓磨などはポジション争いのライバルとなるかもしれない。だが、武藤は冷静だった。

「いい結果が出ていれば、それを(ヴァイッド・ハリルホジッチ)監督が見て自分の起用を考えると思うので、まずはしっかりチームに戻って結果を出して、代表に呼ばれるような結果を出さないといけない」と語る。

 そして「(浅野と)ポジションを争うことになったらやっぱり負けたくはないので、とにかくまずは代表に呼ばれること、ドイツでしっかり結果を出すことに専念して、その先に代表でプレーする権利をいただいてから、結果を残していかないといけない」と気を引き締めた。

 自分自身と真摯に向き合い、ひたむきに努力する武藤がピッチに戻る日は刻々と近づいている。長いリハビリ期間を経て、新たな境地に達したストライカーの復活はまもなくだ。

(取材:元川悦子)

【了】

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