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ダバディさんが語るEURO。フランスへの期待「単純に応援したくなるサッカーをしてほしい」【INTERVIEW】

シリーズ:FChan TV text by 中山佑輔 photo by Asuka Kudo/ Football Channel, Getty Images

デシャン監督は勝つ方法を知っている

フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督
フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督【写真:Getty Images】

―――フランスは2000年のEUROも制しましたね。

 あのEUROも厳しかったですね、特に決勝は。でもがんばりましたね。あのときのフランスでおもしろいのは、今のバルセロナと同じワンタッチ、ツータッチが多いんですけど、バルセロナほど動いてないし、器用じゃなかった。でもボールをもらって、選手たちがフェイントをかけたり、ちょっと個人のアクションがあって、すごい魅力的だった。みんな自信満々で何をやってもうまくいく。特に左サイド。リザラズ、デュガリー、ジダンの左サイドは誰も止められなかった。右はピレスもいたりとか。

―――当時キャプテンだったのはディディエ・デシャンで。

 デシャンですね。デシャンは……、そういう選手も必要ですよね(笑)。でもポジショニングはすごく良くて、若いときからメンタルも強くて、体力的にも強かった。

―――デシャンは選手としても成功しましたが、監督としても良いキャリアを送っていますね。

 そうですね。モナコではすぐうまくいって。よくフランスで言われることなんですが、モナコの選手にハングリー精神を植え付けるのは難しい。すごく良いところだし、遊ぶところもいっぱいあるし、お金もあるし、夜遊びとかの誘惑もたくさんあるから。

 でもデシャンはそこですごいチームを作った。ヴェンゲル時代以来の強いモナコ。それでみんなデシャンを評価したし、デシャンも自信をつけて、タフな場所を選びました。マルセイユですね。

 マルセイユはフランスで一番難しいクラブと言われています。彼はマルセイユを90年代の黄金時代以来のフランス王者に導いた。偉業ですね。そこからアップダウンがあって難しい時期もありました。でもマルセイユでは仕方ないです。

 マルセイユでは不透明な動きがあるし、ナポリみたいにマフィアがクラブに関与しているから、そこで妥協しなきゃいけない。マルセイユで監督をするっていうのは、すごく危険なんですね。選手の移籍に黒いエージェントが絡んでいて、そこを通さないと選手が来なかったり。多分デシャンはそこで妥協をしている。

 デシャンがマルセイユの選手としてチャンピオンズリーグ優勝を成し遂げたときのチームもすごく黒いですね。ドーピングだったり、八百長だったり。デシャンは複雑な人だと思うんですよ。みんな尊敬しているけど嫌いな人も多いと思う。それに真っ白ではないと思う。でも勝つ方法は知っている。

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